認知症について 株式会社 和
◆『認知症』と『もの忘れ』の違い
認知症は、はじめのうちは歳のせいによるもの忘れとの区別がつきにくい病気。大きな違いの一つとして、認知症は記憶のすべてを忘れてしまうのに対し、歳のせいによるもの忘れは記憶の一部を忘れているという点。
[「認知症によるもの忘れ」と「老化(歳のせい)によるもの忘れ」の違い]
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アルツハイマー病とは、原因は不明ですが、脳内でさまざまな変化がおこり、脳の神経細胞が急激に減ってしまい、脳が病的に萎縮して(小さくなって)高度の知能低下や人格の崩壊がおこる認知症。ゆっくりと発症し、徐々に悪化していきますが、初期の段階では運動麻痺や感覚障害などの神経症状はおきず、本人は病気だという自覚がないのが特徴。症状として、まず「もの忘れ」。古い記憶は比較的保たれているが、新しい出来事が覚えにくく、忘れやすいという特徴がある。病気が進むともの忘れのために生活に支障をきたすようになり、「判断力の低下」もみられ、さらに時間、場所、人物の判断がつかなくなる。
脳の血管が詰まったり破れたりすることによって、その部分の脳の働きが悪くなり、認知症になることがある。症状は、もの忘れ、頭痛、めまい、耳鳴り、しびれ等がみられることがあり、脳卒中の発作がおこるたびに段階的に悪化することが多い。障害された場所によって、ある能力は低下しているが別の能力は比較的大丈夫という様に、まだら状に低下し、記憶障害がひどくても人格や判断力は保たれていることが多いのが特徴。
認知症の症状は中心となる症状と、それに伴って起こる周辺の症状に分けられる。中心となる症状とは「記憶障害」や「判断力の低下」などで、必ずみられる症状。周辺の症状は人によって差があり、怒りっぽくなる、不安がちになる、異常な行動、などがある。
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記憶障害・・・直近のことを忘れてしまう。同じことを繰り返す。
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見当識障害・・・今がいつなのかここは何処なのか分からなくなる。
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判断力の低下・・・寒くても薄着で出かける、真夏でもセーターを着ていたりする。
■妄想・・・しまい忘れたり、置き忘れたりした財布や通帳を誰かが盗んだ、自分に嫌がらせをするために隠したという「もの盗られ妄想」の形をとることが多い。このような妄想は、最も身近な家族が対象になることが多い。この他に「嫁がごはんに毒を入れている」という被害妄想や、「主人の所に女が来ている」といった嫉妬妄想などということもる。
■幻覚・・・認知症では幻聴よりも幻視が多い。「ほら、そこに子供たちが来ているじゃないか。」「今、男の人たちが何人か入ってきたのよ」などといったことがしばしば見られる。
■不安・・・自分がアルツハイマー病であるという完全な病識を持つことはないが、今までできたことができなくなる、今までよりもの忘れがひどくなってきているという病感があることは珍しくなく、不安や焦燥などの症状が出現する。また、不安や焦燥に対して防衛的な反応として妄想がみられることもある。
■依存・・・不安や焦燥のために、逆に依存的な傾向が強まることがある。一時間でも一人になると落ち着かなくなり、常に家族の後ろをついて回るといった行動があらわれることがある。
■徘徊・・・認知症の初期には、新たに通い始めた所への道順を覚えられない程度だが、認知症の進行に伴い、自分の家への道など熟知しているはずの場所で迷い、行方不明になったりする。重症になると、無目的で、常同的な歩行としか思えない徘徊が多くなる。アルツハイマー病に多く、脳血管障害による認知症では多くない。
■攻撃的行動・・・特に、行動を注意・制止する時や、着衣や入浴の介助の際におきやすい。型にはめようとすることで不満が爆発するということが少なくない。また、幻覚や妄想から二次的に生じる場合もある。
■睡眠障害・・・認知症の進行とともに、夜間の不眠、日中のうたた寝が増加する。
■介護への抵抗・・・理由はわからないが、認知症の高齢者の多くは入浴を嫌がるようになる。「明日はいる」「風邪をひいている」などと口実をつけ、介護に抵抗したり、衣服の着脱が苦手であること、浴室の床でころぶかもしれないことなど、運動機能や条件反射が鈍くなっているための不安、水への潜在的な恐怖感などから生じると考えられる。
■異食・過食・・・食事をしても「お腹がすいた」と訴える過食や、食べられないものを口に入れる、異食がみられることがある。口に入れるのは、ティッシュペーパー、石けん、アイスノンの中身までさまざま。
■抑うつ状態・・・意欲の低下(何もしたくなくなる)や、思考の障害(思考が遅くなる)といった、うつ病と似た症状があらわれることがある。うつ病では、「気分や感情の障害(悲しさや寂しさ、自責感といったもの)を訴えることがあるが、認知症では訴えることは少ない。
認知症といっても、原因となる病気はたくさんあり、その症状も多様。認知症と異なる病気であっても、同じような症状を示すことがあります。このような病気のなかで特に間違われやすいのが「せん妄」と「うつ病」である。「せん妄」や「うつ病」は適切な治療を行うことで症状は改善するので、これらと認知症の区別は大変重要。
せん妄は、急性の脳障害に伴っておこる軽い意識障害で、判断力や理解力が低下し、しばしば幻覚や妄想があらわれて興奮状態になる。せん妄と認知症の違いは、せん妄の場合は一日の中で症状の変化が激しく、「しっかりしている時期」と「そうでない時期」がある。アルツハイマー病はせん妄を併うことがある。
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せん妄 |
認知症 |
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発症 |
突然の発症発(発症時期を時間単位で特定できる) |
緩やかに発症 |
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経過 |
一過性(一時的)、数時間〜数日、日によって、また一日の中でも症状が大きく変化することが特徴
(何ヶ月も続くことは、まずない) |
徐々に進行 |
うつ病は、気分が落ち込んでいくゆううつな状態、やる気が出ない、思考が遅くなるといった症状が続く病気。うつ病と認知症の大きな違いは、うつ病では「悲しさや寂しさ、自責感など(気分や感情の障害)を訴える」ことなど。
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うつ病 |
アルツハイマー病 |
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気分・感情の障害、非哀感、寂しさ、自責感、希死念慮 |
訴える |
訴えることは少ない |
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妄想 |
・心気妄想・罪業妄想・貧困妄想 |
・もの盗られ妄想・被害妄想・嫉妬妄想 |
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持続期間 |
数週〜数カ月 |
数年 |
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抗うつ薬治療に対する反応性 |
(+) |
(−) |
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諸検査(CT, MRIなど) |
正常 |
異常を認めることが多い |